平日に走る時間がない人の靴の選び方。週2〜3回なら、まず1足でいい
GUIDE|会社員ランナーの靴選び
まず1足。2足目は、目的ができてから。
平日は仕事で終わる。走れるのは朝か夜に30分、それと週末。そういう人に、レース用、スピード用、ジョグ用の3足はいらない。走る距離を計算すると、最初に買うべき靴はかなり絞れる。
結論
1足で足りる人
週2〜3回、1回30〜60分。ジョグが中心で、ときどき少し速く走る。連日は走らない。
2足目を考える人
週30kmを超えた。週1回はペース走をしている。タイムを狙うレースの予定がある。
まず距離を計算する
走る時間が少ない人の靴選びで、いちばん大事なのは距離である。靴の寿命を600kmとすると、買い替えまでの期間はこうなる。
| 走り方 | 週の距離 | 月の距離 | 600kmまで |
|---|---|---|---|
| 週2回・5km | 10km | 約43km | 約14か月 |
| 週3回・5km | 15km | 約65km | 約9か月 |
| 週3回・10km | 30km | 約130km | 約5か月 |
週15kmなら、1足で9か月ほど持つ。ここから分かることは二つある。
一つ目は、寿命で靴を選ぶ必要性が薄いこと。週15kmの人なら、寿命が600kmの靴でも800kmの靴でも、すぐに履きつぶすわけではない。もちろん長持ちする靴のほうが1kmあたりは安いが、買い替えの頻度で困ることはない。
二つ目は、1足に求める役割が広いこと。週2〜3回しか走らないなら、その日の気分や体調に合わせて靴を履き替える場面があまりない。ゆっくり走る日も、少し速く走る日も、同じ靴でこなせるほうが助かる。
時間がない人がやりがちな失敗
軽さだけで選ぶ。週2〜3回しか走れないと、1回の練習を濃くしたくなる。そこで軽くて速そうな靴に手が伸びる。ただ、実際に走る日の多くはジョグのはずで、その大半の時間を支えるのはクッションと安定性である。
最初からカーボンシューズを買う。今回の154足では、点数が出ている靴の価格の中央値はレース区分が¥29,700、デイリー区分が¥17,600だった。1万円以上の差がある。普段のジョグにレース用の性能はほとんど活きない。先に買うならデイリーである。
安さだけで選ぶ。予算を抑えるのは正しい。ただ、価格だけで決めると、走り始めて脚が痛くなり、結局買い直すことになりかねない。安い靴を選ぶなら、どの項目を諦めた靴なのかを確認しておきたい。後で触れるGT-1000 13は、その好例である。
1足目の選び方
本命は、サイトの区分で「デイリー」に入る靴である。見る順番は次のとおり。
1. 足に合うか。どの数字よりも先に確認する。点数は計測から出しているが、あなたの足の形までは分からない。走る時間が少ない人ほど、合わない靴で1回を棒に振るのは痛い。
2. クッションと安定性。久しぶりに走る日があっても、脚への負担を抑えやすい。デイリーの性能点はこの2項目の比重が最も大きい。
3. 重さ。クッションと安定性が同じくらいなら、軽いほうを選ぶ。週1回のペース走も同じ靴で済ませるなら、260g前後までが一つの目安になる。これは計測ではなく、この記事の目安である。


データから選んだ候補
| 靴 | 価格 | 重量 | 性能点 | コスパ点 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|---|
| NOVABLAST 5 | ¥15,400 | 255g | 4.1 | 5.0 | 迷ったらこれ。ペース走も1足で済ませたい |
| NOVABLAST 6 | ¥17,600 | 253g | 4.0 | 4.5 | 同じ方向で新しいモデルがいい |
| WAVE RIDER 30 | ¥18,700 | 265g | 4.1 | 5.0 | クッションを重視し、長く履きたい |
| GHOST 18 | ¥19,800 | 290g | 4.1 | 4.5 | 走り始め、故障明け。安定性を最優先にしたい |
| GT-1000 13 | ¥10,890 | 270g | 3.5 | 5.0 | 予算は抑えたいが、安定性は欲しい |
性能点の差は0.1点なら誤差と考えていい。上の4足で迷ったら、値段と試着の感触で決めてかまわない。
NOVABLAST 5。クッションと安定性がともに4.0、耐久性が5.0。デイリーの中ではスピードも3.5あり、苦手な項目が少ない。走る日の内容が毎回違う人には、この幅の広さが効く。
NOVABLAST 6。方向性は5に近く、グリップが5.0まで上がった。雨の日も走るなら魅力になる。一方、安定性は3.5と5より少し低く、価格も高い。新しさに¥2,200を払う価値があるかで決めればいい。
WAVE RIDER 30。クッション4.5、グリップ4.5、耐久性5.0。スピードは2.0と低いので、ペース走まで1足で済ませたい人には向かない。ゆっくり長く履く靴である。
GHOST 18。安定性は5.0で、候補の中で最も高い。その代わり290gと重く、スピードは2.5にとどまる。久しぶりに走る人や、脚に不安がある人が安心を買う靴だと考えていい。
GT-1000 13はクッションの点が2.5と低い。安定性と耐久性で点を稼いだ靴なので、柔らかさを期待して買うと外れる。
年間の靴代はいくらか
週15km走ると、1年で約780kmになる。1kmあたりの費用を掛けると、年間の靴代の目安が出る。
| 靴 | 1kmあたり | 週15kmの年間靴代 |
|---|---|---|
| NOVABLAST 5 | 約19円 | 約14,800円 |
| WAVE RIDER 30 | 約23円 | 約17,900円 |
| NOVABLAST 6 | 約25円 | 約19,500円 |
| GHOST 18 | 約28円 | 約21,800円 |
差は最大でも年7,000円ほど、月にすれば600円弱である。この程度の差なら、値段より足に合うかを優先していい。合わない靴を我慢して履くほうが、よほど高くつく。
試着で確認すること
時間がないと通販で済ませたくなるが、1足目は一度試着したい。特に、次の点を確認する。
走るときの靴下で履く。靴下の厚さで履き心地は変わる。普段走るときの靴下を持っていくと確実である。
つま先に少し余裕があるか。走ると足は靴の中で前に動く。つま先が当たる靴は、短い距離でも爪を痛めることがある。
かかとが浮かないか。紐をきちんと締めて、店内を少し歩く。できれば軽く走らせてもらう。かかとが浮くなら、サイズか木型が合っていない可能性がある。
時間帯を選べるなら夕方に行く。足は夕方にかけてむくみやすい。仕事帰りの試着は、実は理にかなっている。
買い替えの判断
週2〜3回だと、靴の寿命が来るまでが長く、走った距離を忘れやすい。買った日と距離だけは、スマートフォンのアプリやメモに残しておくといい。買い替えを考える目安は次の三つである。
距離。600kmを超えたら状態を気にし始める。靴によっては800km前後まで持つものもあるが、体重や走り方で変わる。
靴底の減り。外側のゴムが削れて、下のミッドソールが見えてきたら替えどきである。滑りやすくもなる。
脚の感覚。同じ距離なのに膝やふくらはぎが張るようになった、着地が硬く感じる。そうした変化は見逃さないほうがいい。
2足目を買うタイミング
2足目は、時期ではなく目的で決める。次のどれかに当てはまったら検討すればいい。
週30kmを超えた。1足だと5か月ほどで寿命が来る。2足を交互に履けば、それぞれの買い替えまでの期間が延びる。距離が同じなら、靴代の総額はそれほど増えない。増えるのは最初の出費である。
週1回はペース走をしている。軽い靴を足すと、スピード練習の日とジョグの日で役割を分けられる。データ上の候補は、FuelCell REBEL v5(¥16,940、224g、性能点3.9、コスパ点5.0)と、EVO SL(¥19,800、224g、性能点3.8、コスパ点4.5)。
タイムを狙うレースが決まった。ここで初めて、レース用の靴を考える。ただし週10〜15kmで完走が目標なら、普段のデイリーのままで問題ない。
よくある疑問
もっと安い靴ではだめか。だめではない。たとえばDOWNSHIFTER 13は¥9,130で耐久性4.5、コスパ点5.0である。ただしクッションは2.5で、性能点は3.1にとどまる。週10km程度のジョグなら候補になるが、距離を伸ばしたくなったら物足りなくなるだろう。
通勤や普段履きと兼用していいか。できるが、歩いた距離の分だけ靴は減る。走行距離だけを数えていると、寿命を読み違える。兼用するなら、早めに状態を確認したい。
雨で濡れたらどうするか。週2〜3回なら次に走るまで間が空くので、乾かす時間は取りやすい。中敷きを外して風通しのよい日陰に置く。ドライヤーやストーブの熱を直接当てるのは避けたい。
まとめ
時間がない人に必要なのは、足りない時間をカバーする靴の数ではない。その1足を履いて、次の30分に外へ出ることである。まず足に合うデイリーを1足買う。2足目は、走る量か目的が変わってから考えれば遅くない。
※性能点とコスパ点は当サイトの計算によるものです。価格は当サイトの掲載値で、変更されている場合があります。寿命600kmは計算用の目安で、実際の寿命は体重や走り方で変わります。1kmあたりの費用は想定寿命からの概算で、年間靴代は週15km×52週で計算しています。